封印が解かれた日(改稿中)

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3. 兄と妹

ガブリエレはため息をひとつ漏らすと、覚悟を決めてラファエラを抱き上げた。長身のガブリエレよりも頭二つ分ほど背の低いラファエラの体は軽かった。昼間よりもラファエラから放たれる力の波動が強くなっていることに気づいて、顔をしかめる。 (これは見過...
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2. 守り人の動揺

ガブリエレの脳裏にはめまぐるしく対策が浮かんでは消えていく。ラファエラに再び封印を施すには自分の力が足りないことは十分に自覚している。 もはや自分の手に負えないことを悟ったガブリエレの足は、気付けばと実家へと向かっていた。知のフェルナンディ...
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1.  邂逅

ラファエラはいつものように採集鞄を持って、森に出かけた。ラファエラにとって森は自分の庭のようなものだ。歩くこと小一時間、ラファエラは小さな泉が湧き出ている場所にたどり着いた。ここへ来るまでに採取した薬草や、珍しい植物で採集鞄はいっぱいになっ...
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