アウレリアの家の庭には、池がある。
小さな金魚が泳いでいる。
太陽の光に照らされて、うろこがきらきらと光っている。
ボクはゆらゆらする影をみていると、どうしても我慢できにゃい。
ぱしっ!
金魚を獲ろうと、いつの間にか手が出ちゃう。
昨日はアウレリアに池の淵で金魚を狙っている所を見つかった。
「フローラ、だめよ。可哀そうじゃない。」
「にゃ~。」
いいじゃにゃいか。
ボクだって遊びたいんだ。
「おもちゃで遊んであげるから。」
「にゃ?」
遊ぶの?遊ぶの?
わーい。
アウレリアは棒の先に付けたリボンをふりふりして、遊んでくれた。
にょろにょろと動かされると、へびみたいでうずうずしちゃうのにゃ。
体をひくくして、見つからないようにする。後ろ脚がもぞもぞするけど、我慢なのにゃ。
ちょっとだけ止まったら、一気に仕留めるのにゃ!
ばしっ!
獲ったぞー!
「んにゃ、にゃご。」
せっかく獲ったのに動かなくなった。
あれ?
ボクが動きを止めると、アウレリアが素早くリボンを引っ張った。
ああっ!せっかく獲ったのに~。
でも、アウレリアはまたふりふりしてくれた。
ばしっ!
しゅるんと逃げられた。もう一回。
ばしっ!
やったー!
ボクは転げまわって、リボンをはぐはぐした。
うーん、美味しくにゃい~。
ぺってリボンを吐き出すと、アウレリアがまたふりふりしてくれる。
でも、そろそろ飽きて来たにゃ~。何かほかのものがないかにゃ~。
ボクは動かない。
「フローラ、もう遊ばないの?」
うん。
「にゃ~ん。」
ボクが遊ぶのを止めたら、アウレリアはどこかへ行っちゃった。
うーん。やっぱり金魚を捕まえたいにゃ~。
でも、今日はお庭へ行く扉が閉まってる。
明日こそ、捕まえてやる。