お水

僕は新鮮なお水が好きだ。

汲んである水じゃなくて新しい水が飲みたいんだ。

「うにゃーん」

アウレリアの前で鳴くと、ちゃんとわかってくれた。

洗面所の口を捻ってチョロチョロと水を出してくれた。

ありがと!アウレリア。

「にゃ」

僕は洗面所の台に飛び乗った。何とか流しの平らな場所に手とあしをかけて、蛇口に頭を近づける。

新鮮なお水はオイシイ!

夢中になって水を飲んでいると頭から水を被ってしまう。

「うにゃ〜ん」

必死に手で顔を洗うと、再び水を飲み始める。
ようやく満足した僕は洗面所から飛び降りた。
カッコ良く着地するはずが、足の裏についた水気のせいでずるりと床の上を滑り込んで転んでいた。

「ウギャ!」
「大丈夫?」

アウレリアは心配してくれる。
でも僕はそんな恥ずかしいことをしてしまったなんて、認める訳にはいかないのだ!

ふふふ〜ん♪

僕は何事も無かったかのように歩き出す。

でもちょっぴり痛いのは内緒なのにゃ。

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