the Agent(完結)

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17. 警告

「お前か、ファイというのは」サファイアブルーの瞳は冷たい色をしている。イリヤは背筋に寒気が走るのを感じた。――この男、普通の人間じゃない。イリヤはオメガから浴びせられる殺気に、思わず戦闘姿勢を取りそうになってあわてて抑えこむ。胸に付けられた...
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16. 聴取

「それで何をお聞きになりたいのでしょうか?」イリヤは防音が施された小部屋でデルタ、イプシロンと向かい合っていた。「イリヤ・高杉(タカスギ)、二十九歳。階級、少尉。UIAに配属されるまでは、UNA(United Nations Forces)...
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15. 局員の噂話

新本部へと職場を移してから数日が過ぎようとしていた。イリヤは今までにない職場のピリピリとした雰囲気に落ち着かない気分を味わっていた。――査察がそれほど大変なことなのだろうか?特に不正な処理などが行われているようには見えないこのSection...
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14. 煩悶

レイは局員たちの注意を引きつけた。「Attention!」局員は一斉にレイに向き直る。軍人らしい一糸乱れぬ動作に、レイは満足を覚えつつもこれからのことを考え、気を引き締め直した。「本日より、監査部による査察が行われる。各員、監査部の調査には...
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13. 新本部

「ここが、新本部……」助手席でイリヤが目の前にそびえる真新しいビルを見上げながら呟いた。レイはオメガから連絡をもらった座標へ移動していた。郊外の隠れ家からエアカーで移動し、そのまま地下の駐車場へと車を進める。空いた場所に車を停めると、すでに...
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12. 溺れる

「ああ、アルファ」イリヤはシャワーを止めると乱暴に全身をタオルで拭い、ぐったりしているレイを抱えてベッドへと戻る。快楽の淵をさまようレイは荒くなった息を整えながら、イリヤに体を預けていた。レイの体を横たえたイリヤは力の抜けた足を押し開き、大...
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11. 誘惑

「お手並み拝見といこうか」イリヤに心を許すつもりのないレイは不敵に笑った。「口説き文句ごときに落ちてくれる人ではなさそうなので、まずは体から籠絡しようかと思います」イリヤの宣言にレイは身を強張らせた。「ふふっ、本当に可愛らしい人ですね」「な...
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10. 襲撃のあと

レイはオメガとの連絡を終えるとVVMとの接続を切った。しばらくVVMの中で横になったまま視界が現実となじむまで待つと、レイはゆっくりと立ち上がった。オメガとの仮想世界での接触は久しぶりだった。いつも報告のため、定期的に連絡は取ってはいるが仕...
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9. オメガ

レイはSection9のデータベースにアクセスしてきた場所を仮想世界の中で辿っていた。――おかしい。外部から侵入された形跡がない。本部が今は破棄されたあの場所にあったが、Section9の活動を支えるAIやデータベースは地球衛星軌道上の人工...
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8. 甘い夜と夜明け

うつ伏せに組み敷かれたレイは、首筋に噛みつかれ声を上げた。「はぁ」うっすらと噛み痕が皮膚の上に残る。その痕を見つめながらイリヤは征服感が満たされるのを感じていた。けれどレイはまだ全てを明け渡してはくれない。「貴女は背中も美しい」薄らとした無...
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