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3. 実戦

薄暗いビルの廊下をレイは一人走っていた。目的の部屋を見つけ、端末に取りつく。BDUから接続端子を端末に接続すると、レイの意識は電脳空間に広がる仮想世界(ヴァーチャルワールド)へとダイブしていた。 ファイアウォールを潜り抜け、セキュリティ網を...
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2. UIA(United nations Intelligence Agency)

増えすぎた人類は行き場を失い、種としての限界を迎えつつあった。その中で国連は国としての枠を超え、宇宙へと人類を送り出すことを目的として一致団結した。 手始めとして月への移住を成功させ人類は宇宙へと活動の場を移し始めつつあった。国連は地球を十...
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1. はじまり

「Area9、異常なし」 レイは奔放に跳ね上がる赤毛をかきあげ、気だるげに定時報告をAIU(国連情報局)へと送信した。 Area9――東アジア地域――のネットワークを監視していたレイは型通りの報告を済ませると、体を椅子に預ける。 アンティー...
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8. 新たな封印

レオの指定した日はすぐにやって来た。この日の為にラファエラとガブリエレは申し合わせて休みを取っていた。 フェルナンドには申し訳ないが、なにかと反対されそうなので黙って準備を進めていた。 「お客様がお見えです」 テレーザが来客を告げると、それ...
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7. 因縁

知のフェルナンディ、武のラフォレーゼと呼ばれるほど優秀な武官と文官をそれぞれ輩出している両家は、互いの能力を認め合い、つかず離れずの距離を保っていた。しかし、ラフォレーゼ家の祖先がフェルナンディ家の娘と婚約しながら、婚約者を捨てて別の娘と駆...
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6.  再会

部屋に戻ったラファエラは、たった今明かされた事実に茫然としていた。 (私は人ではないの?) そう思ったとたんに背中にちくりと痛みが走る。 ラファエラはドレスを脱ぐと、姿見に背中を映した。確かに背中の肩甲骨のあたりに羽のような形をしたあざが浮...
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5. 封印を解いた者

フェルナンドはラファエラの封印を解いた者に心当たりがあった。黒鷲団に所属するラフォレーゼ一族でレオの名を持つのはレオナルド・ラフォレーゼしかいない。 フェルナンドは執務の空き時間を縫って、黒鷲団のある砦へと足を向けた。王都の入り口に築かれた...
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4. 胎動

研究所へと到着したラファエラは自分の研究室に荷物を置くと、ガブリエレの研究室の扉を叩いた。 「どうぞ」 すぐに入室の許可を告げる声にラファエラは扉を開けた。 「おはようございます」 「おはよう」 「昨日はすみませんでした」 「とりあえず、そ...
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3. 兄と妹

ガブリエレはため息をひとつ漏らすと、覚悟を決めてラファエラを抱き上げた。長身のガブリエレよりも頭二つ分ほど背の低いラファエラの体は軽かった。昼間よりもラファエラから放たれる力の波動が強くなっていることに気づいて、顔をしかめる。 (これは見過...
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2. 守り人の動揺

ガブリエレの脳裏にはめまぐるしく対策が浮かんでは消えていく。ラファエラに再び封印を施すには自分の力が足りないことは十分に自覚している。 もはや自分の手に負えないことを悟ったガブリエレの足は、気付けばと実家へと向かっていた。知のフェルナンディ...
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