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五話

「眠った、か……」 腕の中でぐったりと意識を失ってしまった沙耶を、ユーセフは軽々と抱き上げた。 「ハサン、準備はできているのか?」 「もちろんでございます」 ユーセフは頷いてそれに応えると、沙耶を腕に抱いて玄関に向かう。それを先導するように...
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四話

沙耶はベッドの中からスマホを操作して、父にメールを送信した。 せっかく取り付けた夕食の約束だったが、この身体の調子では到底席に付けそうにない。今度に延期してほしいということと、今日は友人の家に泊まることをメールで知らせると、力尽きたようにシ...
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三話

沙耶の艶めかしい声に、ユーセフはまだ放つつもりのなかった欲望を避妊具の中に吐き出した。 「……ッ、ああ」 ぶるりと身体を震わせながら、ユーセフは沙耶の身体を強く抱きしめた。 放出が終わると、ユーセフは沙耶から勢いを失った欲望をゆっくりと抜き...
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二話 

(どうしてこうなった……) バスローブを手に、沙耶は迷っていた。 これを着るべきか否か。 空調の効いた室内は夏とは思えないほど涼しい。濡れた服が肌にまとわりつき、容赦なく体温を奪っていく。 くしゅん。 沙耶は小さなくしゃみをひとつする。 (...
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一話

♪♪♪♪♪~。 沙耶(さや)はスマホに表示される父からの着信を訝しげに見やった。 大学で教鞭を取っている父が都内のホテルで開かれる学会に参加するために出かけたのは、つい一時間ほど前のことだ。 「どうしたの? お父さん」 『沙耶、すまん。学会...
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一六. 男たちの決意

「シオリさんの能力を実際に目にしてどう思いました?」 真剣な面持ちでエドワードがレイモンドに問いかける。 「……あの能力は恐ろしい。魔物から漂う魔力ごと消し去ってしまうのだから。いきなりあんな様子を見せられたら魔法使いは発狂するぞ」 栞のバ...
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一五. 新たな戦い

次の目的地を黒の森手前にあるエルトの街とした栞たちは、ゆっくりと、だが確実に進んでいた。 「前方、百フェルト先に反応有り」 レイモンドが魔法で魔物の存在を教えてくれる。 栞はバグ退治に対する心の準備ができることに感謝した。フェルトはこちらで...
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一四. 異世界のお買い物

改めて魔法ギルドにレイモンドを呼び出し、エドワードはレイモンドと雇用契約を結んだ。仲介してくれた魔法ギルドにも仲介手数料を支払い、栞たちは旅のあいだに少なくなった品物を補充することにする。 栞は魔法ギルドに対して支払いをしているエドワードを...
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一三. 新たな旅の仲間

翌朝、ふたたび魔法ギルドを訪れた栞たちは、すでに求人に応募があったことを知った。 「お客様の求人に対して三人の応募がありました。この中で最も実力があるのは、レイモンド・ローズです。他の二人もレイモンドに比べれば実力は劣りますが、まあ大丈夫で...
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一二. 魔法使いレイモンド  

「っふ、あ……」 女の艶めかしい声が部屋から漏れ聞こえる。 魔法使いが好んで身につけるローブを脱いだ男の裸身は、引き締まっており余分な脂肪一つない。激しく腰を動かす男の名はレイモンド・アルフォンス・ローズ。魔法都市カレンでも中級から上級クラ...
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